福の神の総本社
西宮神社
えびす宮総本社 西宮神社
福の神として
全国のあちらこちらに祀られているえびす神社。
えびす、ゑびす、戎、夷、恵比須、蛭子や事代主
などの名称で建立されているえびす神社。
拝殿
十日えびすの本戎 午後過ぎの様子。
十日えびす以外の通常日は、
拝殿の中央にお賽銭箱が置かれ、
拝殿より奥には入れません。
開門神事の福男選びで
最後に駆け込んでいくシーンが上の場所。
右側奥から拝殿に駆け込んで行く、
最後のカーブで順位が入れ替わることがある
勝負の要のところ。
逆さ門松
狛犬の前に高く建ててある緑の棒は松です。
逆さ門松と言います。
門松は、お正月に入口に飾り神様を迎えるための飾り。
西宮神社のある門田町では
1月9日の宵の宮の夜
えびす様が神馬(しんめ、白馬)に乗って市中を巡回する
忌籠(いごもり)と呼ばれる習慣があり
氏子は姿を見ることは恐れ多いとされていて
その際に松の葉があたっては大変と
門松を逆さに付け替えている、氏子のその気配り
優しい心に感謝し表している。
開門神事 福男選び
宵の宮の夜に、忌籠(太鼓や鈴、祝詞)の大祭が行われる。
大祭が終えた頃に、爆走神事が行われたのが、開門神事。
開門神事は
江戸時代にいつからということなく、自然に始まったそう。
福男に選ばれた人は
選ばれたその福をその他大勢の方に分け授け
翌年の福男に継承していく役目を負う。
2021年は、人数を減らし参加者を募り、抽選したものの、結局中止となりました。
本殿参拝
開門神事で
1番福を勝ち取った方が宮司に抱きかかえられる場所。
本殿三連づくり(西宮造り)と呼ばれる
珍しい構造になっています。
また、第一殿は中央であることが多いですが
右から左に第一殿、第二殿、第三殿とされている。
主祭神の3柱
第一殿(右) えびす大神
第二殿(中) 天照大御神 大国主命
第三殿(左) 須佐之男大神
第一殿から兄妹順序に並んで鎮座されています。
大国主命は須佐之男大神の6世孫とされています。
通常参拝日には
これほど近くによって参拝することはできません。
招福 大まぐろ
参拝が終わると左右から退出することができます。
入り口側に振り替えるとお供えされています。
例年
お賽銭代わりにマグロに硬貨を貼りつけて参拝しますが
コロナ禍にあって貼りつけることが出来ないように
アクリルケースで保護されています。
ほとんどの方は
マグロが置かれている場所が賽銭箱のように見えたのか
アクリル板気が付かず
上から賽銭を投入され小銭が溜まっています。
画像は、頑張って腕を伸ばして撮影しました。
百太夫神社
本殿を左側から抜けると摂末社が祀られています。
境内には12の摂末社が祀られています。
中でも百太夫(ひゃくだゆう)神社については
西宮神社が総本社に至った功績によるものですので
ご紹介します。
室町時代に
神社近くの「産所」(地名、阪神電鉄 西宮駅 えびす口付近)に
傀儡師たちが住んでおり、神社に奉仕活動を行う一環で
人形を使ってえびす信仰を広るために、全国行脚していた。
安土桃山時代には
えびすかき や えびすまわしと呼ばれ
京都の宮廷でも披露されたほどに発展。
その成果もあり
全国にえびす様を祀る社が建立されていきました。
人形使いとして
一通りの役目を果たした太夫たちは淡路島に移り
淡路島の浄瑠璃や大阪には文楽と名を変えて
語り継がれるようになりました。
縁起物・授与所
笹には縁起物は袋にいれられ
すでに取り付けられ
大きさ別で用意されています。
熊手や箕(みの)、飾り物など
たくさんの縁起物を大小まとめたお店がたくさん出店されています。
お守りやお札、おみくじ、同じものが数カ所で用意されているため
分散して授与していただくことが出来ます。
ご朱印授与所は一カ所。
おかめ茶屋
お参りの後、足休めにいかがですか。
あま酒とありますが、ノンアルコールです。
あま酒と煮ぬき卵(ゆでたまご)の用意があります。
期間中目立ちませんが、拝殿の向かいに池があり、
散策することができます。
池を眺めながら、ほっこりいただくことができます。
えべっさんの由来
関西では神様のことを、かみさんと言います。
えびす様のことは、えべっさんと言います。
ちなみに、奥さんのこともカミさんと言います。
食べるマロニーはマロニーで、
マロニーちゃんと「ちゃん」をつけるのは
キャラクターにだけ。と関西では使い分けています。
東の方ではえびす様ではなく
酉の市で日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀りますので
東西の異文化交流としたところですね。
さて、えびす様は
伊勢神宮で祀られている
天照大御神(アマテラスオオミカミ)のお兄さんにあたり
実は長男でもあります。
しかし、大人と神々の都合により
兄妹という認識はされていません。
以下、神話が好きな方へ。
神話の蛭子様が西宮に鎮座されるまで サクッと劇場
蛭子(ひるこ)さまは
イザナギ、イザナミの2柱から産み落とされるが
女神が男神を誘って生まれた子供のため
3歳まで立つことが出来ない不具の子として
子供として認識されず
二人が作った島から葦船に乗せて流されてしまいました。
海の中から御神像となった蛭子様を漁師に引き上げられ
その漁師に蛭子さまが指定した西宮まで運んでもらい
ご鎮座されました。
神話の蛭子様をもう少し詳しく劇場
別天津神(コトアマアツガミ)に明示された
イザナギとイザナミは、国造りの命を受けました。
その際に天沼矛(アメノヌボコ)を渡され
天浮橋(アマノウキハシ)から天沼矛を使って
大地を掻き混ぜたところ
矛から滴り落ちたものが積もり溜まって
淤能碁呂島(オノコロジマ)という陸地が出来ました。
イザナギ、イザナミの2柱は島に降り立ち
右回りと左回りで分かれて島を巡り
出会ったところで、お互い惹かれ
子づくりに励み最初に生まれてきたのが蛭子さまでした。
※ 神と最高位の鬼殺隊員は、人を柱(はしら)という単位で数えます。
しかし、惹かれあい子づくりに誘ったのが
女神(イザナミ)からであったため
生まれてきた蛭子は、三歳になるまで足が立てない不具の子で
葦で造った船に乗せて淤能碁呂島から流され
子供として認められませんでした。
時は過ぎ・・?
漁師が鳴尾で網を上げると、網に御神象がかかりました。
一旦は冷静に御神像を海に戻しました。
場所を変えてもう一度網を入れると再度
御神像を引き上げました。
これはただことではないと気づき
家に持ち帰り、お供えをし自宅でお祀りしていました。
ある日、漁師の夢に御神像があらわれ、ご神託を告げられました。
「我は、蛭子の神である」
ご神託を受け、蛭子様を神輿に担ぎ
幾たびの休憩を挟みながらたどり着いたのが
西宮であるとされています。
海より蘇った蛭子様はえびす様として西宮にお鎮まりになりました。
これにより、えびす様は漁業の神と崇められることになります。
漁師は海の恵みと山の恵みを交換して生計を立てるようになり
恵みを持たない場合は、お金と交換するようになり
西宮市として発展し商いの神とされていきます。
七福神 えびす様
西宮神社付近も道路が整備されるようになり
神社前や近くで市(市場)がたくさん開かれるようになります。
今に伝わるように、えびす様のご神徳は「富」ですが
元々は正直や清浄としたもので
商売は正直、清浄に行うことで富が得られるとするものです。
ちなみに、七福神に数えられるえびす様が唯一
日本由来の神様でもあります。
ゆうてえやあ
今宮神社だけではなく
地域ごとにえびす神社は祀れらています。
太夫の成果のおかげです。
今回は、えびす様の由来と西宮神社をご紹介しました。
お時間があればぜひ、
ゆっくり参拝と、資料館なども回っていただければと思います。
ルート案内
JR、阪急、阪神電鉄など各線から訪れることが出来ます。
一番近い駅は、阪神電鉄の西宮駅です。
商売をされている方は、ぜひ総本社にもお参りくださいね。
商売繁盛で笹持って来い。