倉垣銀寄 銀寄栗を代々育て繋いだ発祥の地

栗のおいしい季節。秋。
初秋のころは、大阪北部にある能勢町はざわつく季節。

能勢町倉垣の銀寄栗

大阪府の北部に位置する能勢町(のせ町)。
大阪のてっぺんと呼ばれるエリアで、京都府亀岡市と兵庫県丹波篠山市に隣接する。
自然にあふれる山間部は標高差から気温差もあり、おいしい作物が育つ。

秋のくだものといえば、桃や柿などがあげられるが、能勢では栗が抜群に有名。
能勢で採られる栗は地名を取って、能勢栗(のせくり)と呼ばれている。

なかでも銀寄栗(ぎんよせくり)は、別格の存在感がある。

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銀寄栗の特徴

見た目は、他の品種と比べ、大きく山型でありながら面の部分もふくらんだ丸みがあり、色が濃くツヤがある。
ほんのりとした甘さと香りがあるのが特徴の和栗。

定番の調理法

食べ方としては、栗をそのまま蒸して半分に切りスプーンで、すくっていただく。

これが、銀寄栗をいただく一番おいしい方法だ。
と、地元の方の意見。

というのは、栗農家のおっちゃんと販売所のおかあさん。
銀寄栗のおいしい食べ方を伺ったとき、声をそろえて話し出した方法は納得の食べ方だった。

砂糖を入れれば入れるほど甘くなる。
地元の方はそんな調理はしない。
栗の風味と甘みを感じながらいただくのが、和栗ならではの一番の贅沢。だそうだ。

渋皮煮もおいしいのですが、なんでも加糖すればいいと、言わないのが地元流。

栗の調理はお早めに
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銀寄栗を購入できるトコロ

銀寄栗は能勢町のほか、
豊能町(とよの町)
箕面市(みのお市)
でも栽培されている。

今では、全国に広がった銀寄栗。
百貨店やスーパーでも購入することができる。

とは言え、やはり発祥の地で採れた銀寄栗を頂きたいもの。

道の駅くりの郷

能勢町にある道の駅。
名前がそのまま、「道の駅 くりの郷(さと)」であれば、入口で出迎えてくれるのは大きな栗。

施設内では、地場産の野菜や季節の植木なども置いてあり
レストランや案内所、お土産もたくさん並べられている。

道の駅 くりの郷

栗は、この時期一番目立つところに並べられているが、大人気で午後にはほぼ完売。

9時のオープンに並んで待つのも楽しみの一つ。
銀寄栗の販売所として、とっても有名な道の駅。

地元の友人が勧めるのも、はやりこちら。

酷暑の夏 能勢の銀寄栗

本当に残念ながら、酷暑の夏は、栗の成長にはよくありませんでした。

多少の日照りに降雨も必要ですが、強すぎる日差しに、多すぎる降雨。近年少なくなった夕立。実の熟成に妨げになる。

台風の影響も重なり一気に栗が落ちてしまい、2020年は9月下旬から10月上旬と、とっても短いジーズンだった。

銀寄栗の由来

江戸中期、広島から持ち帰り植えた数本の中から、特に良い実を付けた栗の木を増やしていったのが始まりだそう。

すこしずつ、栗の栽培エリアが拡大していき。能勢町に広く、いまでは他府県に及ぶほど、広範囲で栽培されている。

名前の由来は、そのおいしさから高値で取引されるようになり、当時流通していた銭貨の上の、銀札と呼ばれる各藩で認められた札で取引され、銀札さえ呼び寄せる栗として、銀寄という名前になったそう。

紀州藩の藩札(銀札)

 

当時の原木

桃栗三年柿八年というように、栗の成長は早い。
栗の木は成長するとドンドン高くなるが、収穫が困難になるため、3メートル程度の高さで剪定されている。

江戸中期から実をつけ増やしてきた銀寄の原木は、残念ながらいまでは枯れ、原木から植樹された母木を元に、その遺伝子を受け継ぎ増やされている。

母木は、能勢の農協で管理され、実った栗は地元の販売所に卸されている。

倉垣銀寄のプライド

銀寄栗として確立され、その育成に代々関わってきた能勢町倉垣地区の農家の方は、倉垣銀寄の栽培に誇りをもっている。
と話を伺いました。

しかし。
栗の季節になり、報道や記事においては、倉垣地域以外の地域で、「銀寄栗発祥の地」や「銀寄栗の元祖」などと、歴史を改変されたような内容を目にすると、代々の努力をむげにされた気がして心を痛める。
と話されていました。

銀寄栗の特集・企画には、ぜひ能勢町の倉垣地域にお越しください。

 

秋は栗の季節。
日本列島全国で、その時期になるとテレビでも紹介され、農家の方は丁寧に栽培された銀寄栗を、ようやく出荷できることに喜んでいることでしょう。

地域の特産になるまで銀寄栗を大切に育てられ、たくさんの地域で銀寄栗を広く喜んでもらえることには、倉垣銀寄農家の方もうれしいと微笑んでお話を伺えました。

銀寄栗

ぜひ、おいしい銀寄栗を召し上がってください。

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